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フリーランス(個人事業主)の源泉徴収とは?計算方法も解説

リバ邸オーナー
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このメディアでは、フリーランスとして5年以上活動し続けている私の目線で、フリーランスに関する便利な情報を発信しています。

会社勤めされている方には毎年おなじみの源泉徴収票。今までなんとなく受け取っていたという方も多いのではないでしょうか。

源泉徴収の意味や仕組み、しっかりと理解されていますか?フリーランスとして活動していくなら、税処理は自分でこなさなくてはいけません。

この機会に、源泉徴収が自分にどう関わってくるのかをしっかり理解しましょう。

源泉徴収とは

そもそも源泉徴収とは、「給与・報酬を支払う側が、納めるべき税金額を前もって差し引いて給与・報酬を支払う制度」のことです。

ここでいう税金とは主に所得税のことを指します。会社員時代は、従業員に代わって会社が源泉徴収分を納税してくれていました。

しかし、フリーランスの場合は自分で確定申告を行う必要があります。報酬を受け取っている場合、源泉徴収の仕組みを確実に理解しておかなければ、過剰な税金を納める可能性もあるのです。

損をすることがないよう、正しく源泉徴収されているか、源泉徴収されていない報酬をどのように処理すべきか、チェックしましょう。

フリーランスが源泉徴収の考え方

フリーランスが源泉徴収されるのは、どのような場合でしょうか。また、されない場合はどのように処理すべきでしょうか。

源泉徴収の対象になるのは?

源泉徴収の対象となる具体例は、所得税法第204条1から8に下記のように定められています。

  • 原稿・挿絵・作曲・レコード吹き込み、デザイン報酬、著作権の使用料・講演料など
  • 弁護士・司法書士・公認会計士・税理士など、決められた専門職に対する報酬・料金
  • 社会保険診療報酬支払基金法の規定により支払われる診療報酬
  • プロ野球選手、プロサッカー選手、モデル、外交員、集金人などに対する報酬・料金
  • 芸能人もしくはテレビ放送に関わる出演・演出または企画に対する報酬・料金
  • キャバレー、ナイトクラブ、バーなどで、接待するホステスなどへの報酬・料金
  • 役務の提供を約することで受け取る一時金
  • 広告宣伝のための賞金もしくは馬主が受ける競馬の賞金

①についてはかなり幅広く、デザインだけでもパッケージデザイン、広告のデザイン、庭のデザインなどあらゆるデザインを指します。

ただし、ウェブデザインは源泉徴収対象でも、ウェブサイト作成は対象外であるなど、多少複雑なものもあります。

他にも写真撮影や作曲・編曲・工業所有権の使用料なども対象です。自分の業務が上記に当てはまるか、まずは調べてみましょう。

源泉徴収されている場合

クライアントから支払われる報酬から源泉徴収されている場合、フリーランスがするべきことは特にありません。

源泉徴収されていて、かつ確定申告が必要な場合は、①フリーランスの所得が年間で695万円を越える時、②フリーランスとしての所得が年間330万円以下の時です。

①は源泉徴収だけでは納めるべき所得税が不足するため、②はむしろ過払いの可能性があるためです。

まずは、源泉徴収に関わる計算式を理解し、正しく差し引かれているかチェックしましょう。

源泉徴収されていない場合

源泉徴収されていない場合、フリーランスとしての所得が年間20万円を越える時は確定申告が必要です。税務署に確定申告書を提出し、税金をしっかり納めましょう。

フリーランスの源泉徴収の計算方法

源泉徴収の計算方法は、以下の通りです。

項目 詳細
報酬が100万円以下 報酬額×10.21%
報酬が100万円上 (報酬額-100万円)×20.42%+102,100円

報酬額が内税の場合は消費税及び地方消費税を含む報酬がまるごと源泉徴収の対象となります。一方、報酬と消費税が分かれている場合は税抜きの報酬だけが源泉徴収の対象です。

場合により源泉徴収税額が異なるので、請求書の書き方はクライアントと最初にすり合わせておきましょう。

加えて、2013年から2037年の間は、「復興特別所得税」が課されます。これは「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」にて定められています。

東日本大震災で被災された方のために、被災者支援や住宅再建、復興活動などに充てられることが規定されています。所得税に2.1%を乗じた金額を納めなければなりません。

これらの計算額が報酬から引かれたものが、実際の手取りの報酬となります。報酬支払時に受け取る明細に記載されている源泉徴収税額と、自分で計算した額が一致するか確認する癖をつけましょう。

フリーランスが請求書を作る時の注意点

フリーランスが請求書を発行する際、業種によっては最初から報酬額に源泉徴収税額を加算して請求する場合があります。

源泉徴収の対象となる場合は、あらかじめクライアントと記載について確認しておきましょう。

フリーランスは自分で確定申告しよう

フリーランスが確定申告をすべき場合(した方がお得な場合)とその理由を説明します。

まず、収入から経費・各種控除を差し引いたものを「課税所得」と呼びます。この課税所得に応じて納めるべき所得税が算出されます。最新の所得税率は国税庁のホームページで確認できますが、2020年現在では以下の通りになっています。

所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円超え 1800万円以下 33% 1,536,000円
1800万円超え 4000万円以下 40% 2,796,000円
4000万円超え 45% 4,796,000円

(参考:「国税庁「所得税の税率」」)

例えば、課税所得が500万円の時は、「330万円超え 695万円以下」の場合に当てはまるため税率は20%となり、納めるべき所得税は「500万円×20%-427,500円」の計算結果の「572,500円」となります。

原則として、源泉徴収をされていないフリーランスのうち、年間所得が20万円を越える場合は確定申告が必要です。

源泉徴収をされたフリーランスが確定申告をすべき場合は、①フリーランスの所得が年間で695万円を越える時、②フリーランスとしての所得が年間330万円以下のときです。この表から、①の場合は表中の「695万円超え 900万円以下」より下部の場合にあてはまり、税率は23%以上となります。

源泉徴収は報酬が100万円以上の場合は20.42%分しか徴収されないため、源泉徴収税額だけでは納めるべき金額に足りません。①の場合、足りない分の税金を納める必要があります。

②の「所得が年間330万円以下」の場合は、表中の「195万円超え 330万円以下」より上部の場合にあてはまり、税率は10%以下です。

所得税として課税されるべき税率が10%以下にも関わらず、源泉徴収では20.42%(報酬が100万円以上330万円以下の場合)も徴収されてしまっている場合があります。

過払いで損してしまっている可能性があるため、確定申告を通してしっかり還付してもらいましょう。

確定申告の際の注意点

所得が年間330万円以下で、課税されるべき所得税より多く源泉徴収されてしまった人は、確定申告とは関係なく「還付申告」をする必要があります。還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間提出可能です。

源泉徴収を受けた場合、クライアントから「源泉徴収票」を受け取ります。源泉徴収票は給与から所得税がいくら引かれているのかが分かる書類です。

これは、確定申告の際に所得税の支払いの証明になるので、必ず全てとっておきましょう。紛失した場合は、発行元のクライアントに再発行をお願いできます。

仮に再発行不可の場合は「源泉徴収票不交付の届出書」を提出すると税務署が適切な指示をくれるので準備しましょう。

源泉徴収を受けた金額は、会計ソフトや帳簿を駆使して確実に記録しておきましょう。

可能ならクライアントから「支払調書」をもらうと良いです。支払調書とは、クライアントが税務署に提出する支払の明細のことで、支払いを受けた者がきちんと申告するかを税務署が照合するための書類です。

税務署はこの支払調書と、フリーランスが提出した確定申告関係の書類を照合し、正しく納税されているかどうかを確認します。

業務委託者には送付義務はない書類ですし、源泉徴収票を受け取っているなら支払調書は必須ではありませんが、あると確実です。

確定申告を簡単に終わらせるには国税庁の「確定申告等作成コーナー」や会計ソフトを活用しましょう。確定申告を怠ると「無申告加算税」や「延滞税」、「重加算税」をペナルティとして支払う可能性があるため、注意が必要です。

まとめ

フリーランスは源泉徴収をされている場合でもされていない場合でも、確定申告の機会がありえます。

まずは、源泉徴収税額の計算方法を理解し、源泉徴収を受けた金額を正確に記録する癖をつけましょう。納税額を不足させないだけでなく、無駄に支払うことがないよう、自分できっちり管理しなければなりません。

復興特別所得税や還付申告など、耳慣れない言葉もひとつひとつ理解すれば大丈夫です。なかなか慣れない確定申告。なるべく早めに準備し、余裕をもって申告できるよう常に意識していきましょう。