フリーランスは仕事をこなすだけでなく、個人事業主としてお金の管理も必要です。
そのひとつに、請求書の作成があります。会社員から独立されたフリーランスにとっては今まで作成した経験がなく、どう作成すればいいのか分からない方が多いでしょう。
また、ネットで請求書のフォーマットを検索しても、沢山ありすぎて抑えるべきポイントが把握できないと困っている方もいるのではないでしょうか。
この記事ではフリーランスの初めての請求書作成について、その記載内容から細かい注意点、クライアントとのすり合わせ方まで丁寧に説明します。
フリーランスの請求書は重要

クライアントから確実に支払いしてもらうには、必要事項を漏れなく記載する必要があります。
丁寧な請求書の作成方法を知ることでクライアントから信用を得るのは勿論のこと、自身の確定申告の際にも手助けとなります。
基本的に押さえておきたい請求書の書き方・注意点をしっかり把握しておきましょう。
フリーランスの請求書とは
請求書とはクライアントに対して仕事の報酬を請求するための書類を指し、契約した仕事が終了したら請求書を提出します。
エージェント経由の場合、請求書の作成から送信方法に関して決まりがある場合もありますので、必ず契約時にクライアントと記載内容や送付時期などを細かくすり合わせておきましょう。
請求書を作成するメリット
専業フリーランスの年間所得が38万円を越えると確定申告が必要になります。確定申告の際には所得の申告のため、請求書が重要な証明書になります。
また、超えない場合にもクライアントとの支払いトラブル回避のために請求書を作成することが必須です。

フリーランスの請求書の書き方

国税庁ホームページに掲載されている「請求書等の記載事項や発行の仕方」によると、記載事項は書類作成者の氏名・名称、取引年月日、取引内容、書類の交付を受ける相手の氏名・名称の5項目は最低限必須とされています。
必須項目を中心に、記載すべき内容やその注意点についてみていきましょう。
請求書の宛先(請求先)
宛先は、クライアントの会社名や事業者名、担当者名を記入します。
まれに依頼者と異なる宛先を指定される場合もあるため、宛先の書き方についてもクライアントと前もって決めておきましょう。
請求者の住所と氏名
自分の名前(屋号)、郵便番号、住所、電話番号を記載し、名前にかぶせるように捺印します。
請求日と期限
請求日は、取引先の締め日が多いですが、会社によって20日だったり月末だったりまちまちなので、あらかじめ確認しましょう。
締め日を過ぎた発行日にすると翌月払いになってしまう可能性があります。また、単に請求書の発行年月日で設定することもあります。
支払期限に関しては支払日をそのまま記載しましょう。
請求する内容(概要)
商品名やサービス名、数量、金額を記載します。これもクライアントから指定を受けることがありますので、あらかじめ聞いておきましょう。
消費税額
消費税の金額を記載します。軽減税率の対象となるもの、対象外となるものについて分けて小計を記載し、それぞれについて消費税を算出する決まりになっています。

源泉徴収税額
源泉徴収税は、携わる業種や取引相手の事業種(法人か、フリーランスか)によって徴収されるかどうかが決まります。
まずは、自分が提供するサービスが源泉徴収の対象かどうかを把握し、該当する場合は契約時にクライアントに確認するのがベストです。

請求金額の合計
請求書の明細には、小計や消費税額、源泉徴収額だけでなく、それらを加味した請求金額の合計を明記しておきましょう。
明細の一番下に記載し、他の字よりもフォントを太くしたり大きくしたりして、目立たせておきます。
振込先
自身の銀行名・支店名・口座種類・口座名・口座番号・振込手数料の有無・名義人を明記します。
フリーランスだと屋号など別の名前を使用していることもあるので、それを利用します。
請求書を書く際の注意点

請求書を書く際に気を付けるべきマナーや、明細の書き方の注意点をまとめました。
書式やマナー
まず、取引先からフォーマットが指定されている場合はそれに従いましょう。また、請求書の提出日は、締めてから何営業日中かをクライアントと契約時に確認しておきます。
特に記載がない時は3日以内を目安に送付します。
請求先の宛名には社名・部署名なら「御中」、個人名なら「様」を使い分けて書きます。当たり前だと思われるかもしれませんが、意外と理解していなかったり、忘れていたりするポイントなので要チェックです。
消費税や源泉徴収税の取り扱いについて
消費税は、免税業者は納付の必要がありません。ただ、請求は勿論すべきなので、請求書に小計とは別にきっちり記載しましょう。
一般的には切り捨てで計算し、余計に請求している印象を持たれないようにしますが、法律上は切り上げでも切り捨てでも大丈夫です。
源泉徴収とは、報酬の支払いを行うものが支払う際に所得税を差し引いた金額を支払い、差し引かれた税金を支払者が代わって国に納める制度です。
原稿料やデザイン料、講演料など、フリーランスに関わる報酬の多くは源泉徴収の対象となります。
源泉徴収を差し引くかどうかはあらかじめクライアントに確認し、差し引く場合は請求書にその旨を記載しましょう。
フリーランスとして信用度を高めるために
連絡を密にとり、クライアントとよく話し合って請求書のフォーマットを作成しましょう。
例えば、請求書の宛名や請求日、請求内容の記載方法や押印の有無など、最初にすり合わせるべきポイントは本当に沢山あります。
一方的に決めていきなり請求書を送付するのではなく、契約時に記載例を提示して確認をもらっておくと、スムーズですしトラブルを回避できます。
特に押印に関しては、印鑑の文化が根強いクライアントから、いち早く電子印鑑や印鑑フリーの書類を取り入れているクライアントまで様々です。
早めに確認を行い、スムーズに対応できるようにしましょう。
請求書を送付する際の注意点

請求書の送付は郵送だけでなく、メールやFAXでOKというところもあります。
クライアントに合わせてスタイルを変えられるよう、あらゆるパターンでの請求書送付に関する注意点を押さえておきましょう。
郵送の場合
まず、封筒のサイズは一般的に「長形3号」もしくは「角形2号」を選び、A4サイズを3つ折りするか、もしくはそのまま入れられるようにします。
また、封筒の表には「請求書在中」と書き、四角で囲んでおきましょう。縦書きの際は左下に、横書きの際は右下に記載し、青字で記載すると重要度が高いことがわかるので良いです。
メールの場合
まずは、請求書をメールで送付しても良いかをクライアントに確認しましょう。
基本的には郵送で送るのが丁寧で良いですが、クライアントによっては便利なメール送信を指定してくる場合があります。
請求書をメールで送付する場合は、基本的には改ざん防止のためPDFで送付するのがマナーです。
その際、請求書のファイル名には年月・名前・請求書である旨・自分の名前を記載し、ファイル名だけで内容が分かるようにします。
また、本文中にも請求金額や振込期限を簡単に明記しておくと、ファイルを開かなくても確認できるため、親切です。
請求書を作成するならfreeeがおすすめ

請求書作成にかかる時間を短縮させるには、会計ソフトをうまく活用しましょう。その中でも「freee」は認知度も高く、初心者でもスムーズに会計処理を実施できます。
例えば、銀行口座と同期すれば収支が勝手にソフトと連動してくれるので、経費入力がかなり楽になります。
また、スマホアプリに領収書をかざすだけで経費入力ができ、外出先でも気軽に会計処理ができるので後回しにする必要がなく、面倒になりません。
請求書を郵送する場合、郵送依頼もクリックひとつででき、1通150円で勝手に郵送してくるため時間もお金も節約できます。
最安で月1980円からサービスを受けることができますし、30日間の無料体験の制度もあるので、まずは少し試してみることをおすすめします。

まとめ
フリーランスとして請求書を発行する場合、最も重要なのはクライアントと請求書の記載内容をよく確認し、すり合わせておくことです。
相手との信頼関係を良好に保つため、一番最初の契約の段階で丁寧に話し合いを重ねておきましょう。