フリーランスの基礎知識

フリーランス(個人事業主)の消費税は免税される?インボイス制度も解説

リバ邸オーナー
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フリーランスの仕事・スキルを共有できるシェアハウス「リバ邸セカイ」を運営しているかんぺこです。

このメディアでは、フリーランスとして5年以上活動し続けている私の目線で、フリーランスに関する便利な情報を発信しています。

フリーランスに消費税は関係ない」と考えている方は多いのではないでしょうか。

お店でモノやサービスを買うと消費税を支払うのと同様、フリーランスで働く場合でも消費税をきっちりともらうべきですし、場合によっては納める必要もあります。

すでに導入された軽減税率に加え、インボイス制度もこれから始まります。

「お金の話はややこしくて理解できない…」という方に向けて、この記事では消費税の請求・納税・計算方法から様々な制度や決まりまで、分かりやすく丸ごと解説します。

フリーランスにとっての「消費税」とは

そもそも消費税とは、物品やサービスをお店で購入した際に、価格とは別に請求される税金のことです。

負担する消費者が直接は納めず、消費税を受け取ったお店側が代わりに納税してくれている、いわゆる間接税です。

フリーランスに置き換えると、クライアントに労働力(サービス)を提供しているので、そのサービスに対して消費税を請求し、クライアントに替わって国に納税する義務が発生します。

ただし、ある条件を満たせば納税の必要はなく、いわゆる「益税」としてフリーランスの利益となります。

フリーランスの「消費税請求」

フリーランスも消費税を請求しよう!

納税免除の制度もあるため、クライアントから消費税を請求することに抵抗を感じる方もかなりいらっしゃいます。

「業務なんてパソコン1台しか使わないから、経費もかかってないし…」と思われるかもしれませんが、業務のために購入したパソコンの値段だけでなく、作業デスク代や業務中にかかる電気代、息抜きのコーヒー代、これらは立派な経費にカウントされるのです。

更に、月の売り上げが例えば20万円だとすれば、消費税として請求できる金額は合計で2万円ですが、年間で考えると24万円となり、月の売り上げ以上を計上できます。

こうして考えると、この差はかなり大きいです。

消費税はあくまで税金であり、国に納めるお金を一時的に預かっている状態です。納税の要不要に関わらず、しっかりと役務を果たした分の消費税を請求しましょう!

クライアントとのトラブルを防ぐために

消費税を請求する相手はクライアントです。

  • 増税分を上乗せして請求したいけど、なかなか言い出しにくい
  • 消費税分を減額してくれないかと言われて困る

上記のように感じる方も多いのではないでしょうか?

まず、新規のクライアントとの契約時に、契約金額は消費税込みなのか税別なのかをしっかりと確認しておきましょう。

基本的には分かりやすく税別で請求することをお勧めします。

長い間お付き合いがあるクライアントにはなかなか言い出しづらい部分もあるでしょうが、消費税はあくまで税金です。

細かい話にはなりますが、このあたりの処理をきっちりしていないと個人事業主として不信感を持たれる可能性もあります。

少なくとも一度話題には上げ、交渉してみましょう。

また、消費税分の減額交渉を持ちかけられることもあるかもしれませんが、安易に応じてはいけません。

法律でも企業が下請けに対し減額交渉を強要してはいけないと決められており(消費税転嫁対策特別措置法)、簡単に受け入れるべき話ではありません。

クライアントとはよく話し合い、自分の身を削らないよう、また不信感を抱かれないよう、事業主として確固たる姿勢をみせましょう。

請求書の書き方

消費税法では帳簿と請求書の保存を義務付けており、怠ると経費として認めてもらえなくなります。クライアントに迷惑をかけないよう、適切な請求書の作成を心掛けましょう。

請求書には何を記載すればよいのでしょうか。まず、本文部分にはタイトルとして「請求書」と大きく書き、ヘッダー部分に請求日(請求書の発行年月日もしくは取引先の締め日など)や請求書番号(自分が後で照合しやすいよう、任意の番号を割り振る)を明記します。

タイトル以下には、請求書の宛名と請求金額、請求者の情報、支払期限、振込先の情報を記載します。

宛名はクライアントに事前確認が必要ですが、基本的に相手の会社名か担当者名と考えてよいでしょう。

請求金額は消費税や源泉徴収税などを加味した、最終的な支払金額を書きます。請求者の情報には、自分の連絡先を記載して電子印鑑もしくは印刷後に捺印します。

支払期限は、前もって契約時に決めておいた期限を記載し、最後に振り込んで欲しい金融機関名・支店名・口座番号・名義や振込手数料の負担の有無を記します。もし、支払方法が特殊であったり、条件により期日が異なったりする場合は備考欄を設け、その旨もしっかりと記載しましょう。

加えて、請求金額を表に分かりやすく記載します。品目、数量、単価、金額(数量×単価)を書き、最後に小計や消費税額、合計を細かく表記します。源泉徴収が差し引かれて報酬が払われることがわかっている場合、源泉徴収税額欄を表に追記しておくと確定申告時にとても便利です。また、消費税額は8%と10%を分けて記載しましょう。

注意すべき点として、振込手数料は相手か自分、どちらが負担するかあらかじめ決めておきましょう。自己負担の場合は、請求書に振込手数料金も表記し、差し引いて計算しなければなりません。

また、請求書番号は必ずしも必要ではありませんが、クライアントが限局されるフリーランスにとっては、番号で管理しておくと後でまとめる際にとても便利です。任意で作成し、付与することをお勧めします。

請求書のデザインはウェブ上で検索すると参考となるテンプレートがいくつも見つかるでしょう。請求書作成も含め、消費税や源泉徴収に関する計算が面倒だという方は、会計ソフトを使用すると簡単に作成できるので、一度トライされてみると良いかもしれません。

フリーランスの「消費税納税」

フリーランスの私は納税すべき?それとも免税?

納税の必要がある条件は下記の通りです。

  • 前々年の課税売上が1000万円以上
  • 前年の1月1日から6月30日の課税売上もしくは給与支払額が1000万円以上
  • 消費税課税事業者選択届出書を提出している
  • 事業開始時の資本金もしくは出資金が1000万円以上
  • 自社株式の半分を保有している親会社の存在
  • 特定新規設立法人に該当する

上記の6つの条件のうちひとつでも当てはまるものがあれば納税の義務が発生します。

フリーランスの方ならば概ね毎年の売り上げが1000万円未満であれば納税の必要がないというのが目安となり、その場合消費税は免税されてそのまま自分の利益になります。

これは小規模業者の負担を軽減するための措置であり、消費税収支の計算も不要です。

消費税の計算方法とは?

納税する場合、消費税は1年に1度、報酬と併せてクライアントから預かった消費税から、経費で自分が支払った消費税を差し引いて申告します。

なかなか煩雑に思える消費税計算ですが、ここでも中規模業者向けに簡易措置が設けられています。

前々年の課税売上が5000万円以下で、かつ「簡易課税制度」の適用を受ける旨の届出書(消費税簡易課税制度選択届出書)を事前に提出している事業者の場合、「みなし仕入れ率」を利用することができます。

「みなし仕入れ率」とは、卸売業・小売業・製造業・その他事業・サービス業と、業種ごとに決まっている仕入の消費税額割合のことです。

事業者は、実際の仕入に要した消費税額を毎回細かく計算する必要がありません。単に売り上げに対する消費税額にみなし仕入れ率を乗じた額を、仕入控除税額として計上することができます。

これは「簡易課税方式」と言われています。メリットとして、単に消費税額の計算が簡単になり、仕入税額を控除するための帳簿の作成も不要となります。

更に、実際の仕入税額よりもみなし仕入れ率が大きければ納税額が減額となり、節税対策にもなります。

逆にデメリットとして、経費が多い事業者にとっては納税額が増えてしまう可能性もあります。また、申請すると2年間は簡易課税者として継続する必要があり、取り消すためにも再度届け出が必要です。

また、複数の事業を展開している場合、売り上げ額を事業ごとに振り分けて計算する必要があり、むしろ面倒になるパターンも考えられます。自分にとってどちらを選択するのが賢いのか、事業展開する前にしっかり考慮しておきましょう。

簡易課税方式適用のための消費税簡易課税制度選択届出書は、適用を受けたい課税期間(個人事業主であれば1月1日から12月31日、法人ならば事業年度)の初日の前日までが提出期日です。余裕をもって準備しましょう。

また、これら消費税の計算は会計ソフトを使うとかなりスムーズに進むので、簡易課税方式を適用するしないに関わらず、オススメです。

消費税の計算と軽減税率

2019年10月1日から消費税の軽減税率が導入されました。それに伴い、現在は「区分記載請求書等保存方式」という新しい請求書の記載方式が取り入れられています。

現在は、帳簿・請求書の記載や保存の際には、軽減税率の対象となる品目にはその旨がわかる記載と、8%・10%の税率ごとに区分して対象金額を記載する必要があります。

難しそうに思いますが、要は税率8%の対象となる品目には脚注をつけ、「軽減税率対象である」と一言添え、税率ごとに小計するだけでOKです。

外の打ち合わせで飲んだコーヒーは10%、テイクアウトのコーヒーなら8%と細かく区別して帳簿に記載しましょう。

インボイス制度って何?

インボイス制度とは、「適格請求書等保存方式」と呼ばれ、2023年10月1日から導入されるシステムです。

対象となるのは課税事業者で、かつ税務署長へ事前登録申請した「適格請求書発行事業者」のみです。現行の区分記載請求書にかえて、事業者への適正な課税を確保することが狙いとして制定される予定です。

具体的にインボイス制度について説明します。まず適格請求書とは、売り手から買い手に正確な税率や消費税額を伝えるための手段であり、決められた事項が明記された請求書・納品書等の書類を指します。

普通の請求書と違うところは、適格請求書発行事業者のみが発行できるということです。更に大きく問題となる点として、事業者は通常、売り上げにかかった消費税から、仕入れや外注費用にかかった消費税を控除しますが、今後は経費のうちこの適格請求書に記載がないものについて控除ができなくなります。

つまり、適格請求書を発行できない事業者(=免税業者)にかかる経費の消費税は仕入税額として控除できないため、取引相手が自己負担するかたちになります。

取引相手にとっては損をすることになるため、取引を断られたり、課税事業者になるようお願いされる可能性が出てきます。免税事業者のままで進むのか、はたまた課税事業者になるのか、大きな選択が迫られている状況です。

適格請求書は電子データでもOKで、不特定多数に対するサービス業を営む場合はより記載事項が省略できる「適格簡易請求書」の適用も可能ですし、場合によっては請求書交付免除制度もあります。

制度導入と同時に登録したい場合の申請期間は2021年10月1日から2023年3月31日までなので、提出方法や提出書類に関しては前もってよく調べておきましょう。

また、制度が導入されるまでの間に、適格請求書としての記載項目を満たす請求書フォーマットを整えたり、それに合わせた帳簿の付け方を考えたり、クライアントと記載事項のすり合わせを済ませておくと、直前になって慌てなくて済みます。

また、インボイス制度には経過措置がとられます。制度導入と同時に適格請求書発行事業者になれなかった場合でも、区分記載請求書をきちんと発行して経過措置規定の適用を受ける旨を帳簿に記載している場合なら、一定期間は仕入税額の一定割合を控除できます。

控除額は最初は80%、次に50%と徐々に減ってしまうので、注意が必要です。

免税事業者の3つの選択肢

新しく始まるインボイス制度の対応方法は下記の3つです。

  • 免税事業者のまま事業を続けるパターン
  • 1000万円以上の課税売上をもって消費税の課税事業者になり、適格請求書発行事業者となるパターン
  • 課税売上額が1000万円未満のままで適格請求書発行事業者となるパターン

まずは、メインのクライアントが課税事業者なのか、もしくは免税事業者や消費者が多いのかをしっかりと把握しましょう。

前者ならば自身が課税事業者となることも選択肢に入れなければなりませんし、後者ならば免税事業者のままで差支えないでしょう。

勿論ベストは②であることは言うまでもないですが、フリーランスとして活動するうえで1000万円の売り上げを出すのは決して簡単ではありません。

クライアントとよく話し合い、折衷案を考えてお互いにとって極力ベストとなる選択を目指しましょう。

消費税請求も納税も仕組みを理解して早めの対応を

請求も納税も、噛み砕いて考えると決して難しいものではありません。

ただ、仕組みがわかっても細やかな書類の整備や提出先・提出期間など、初めてなら尚更分からないことが多々あるでしょう。

その場合、ネットや書籍で調べたりフリーランスの仲間に聞くことはもちろん、積極的にプロである税理士さんに相談することを是非お勧めします。

更に、消費税の計算や請求書作成でも少し触れましたが、会計ソフトを活用すると時間の短縮にもなります。

一人で抱え込むことはせずに、頼れるものにしっかり頼っていきましょう。

まとめ

フリーランスと消費税の関係をしっかりつかんで、自分でマネジメントできるようにしましょう。

フリーランスは会社員ではないので、納税も請求もクライアントとの交渉もすべて自分で行わなければなりません。気に掛けることが多く、新しい制度もどんどん導入されてくるので、しっかりとアンテナを張るべきです。

フリーランスに役立つ情報サイトやSNSのアカウントを探して定期的にチェックし、新しい情報を取り入れ続け、自身の活躍の手助けとしましょう。